親が認知症になってきたようだ

Question

親が認知症になってきました。先日も「払った・払ってない」で知人と揉めてしまい、特にお金の関わるところで、このままではいつか大きな問題が起こるのではないかと不安でなりません。一応同居している私がお財布は管理していますが、それ以外にも貯金通帳や土地の権利書、保険などがあり、この様な管理のままで大丈夫だろうかと悩んでいます。

50代・会社員・女性

Answer

認知症が進み判断能力がなくなると、定期預金の解約、不動産の売却等はできなくなります。

判断能力があるうちにできること

⑴家族信託
家族信託とは、親の財産を信頼できる家族(子など)に託し、管理してもらうことです。財産を託す人を「委託者」、財産を託され、管理・運用・処分する人を「受託者」といいます。そして、託された財産を信託財産といい、そこから利益を得る人を「受益者」といいます。
通常は、親が「委託者=受益者」となり、子などの「受託者」と信託契約を結びます。
信託発動により預金や不動産の名義は受託者名義となるので、委託者の判断能力がなくなっても受託者が財産の管理・運用・処分をすることができます。もっとも、例えば不動産を売却した場合、売却代金は受託者のものになるのではなく、信託財産に組み入れられ受益者のために管理・運用されることになります。
以上のように、家族信託は認知症対策として大変有効な仕組みです。

⑵遺言
相続トラブルを避けるために、判断能力が残っているうちに遺言書を書いていただくことをお勧めします。遺留分等に留意して、揉めない、有効な遺言書を作成することが重要です。
家族信託に遺言機能を持たせることもできますが、この場合もすべての遺産をカバーするために、家族信託と遺言を併用することが必要です。

判断能力がなくなってしまったら

定期預金の解約、不動産の売却等をするには、親に成年後見人をつけるしか方法はありません。成年後見人をつけるには、家庭裁判所に申立てをする必要があります。
ただし、成年後見人の主な役割は本人の財産を守ることです。したがって、本人の財産を家族のために使うことや相続税対策をすること等、本人にとって必要性やメリットのない行為をすることはできません。

※家族信託等について、詳しくは当事務所にご連絡ください。家族信託の設計・契約書作成業務も行っております。


Answer

親御様が認知症とのことで、ご心配かと存じます。
親御様が認知症になってしまった場合、財産管理困難になってきた場合、成年後見制度を用いるのが良いと考えます。成年後見制度とは、大雑把に申し上げて、第三者である成年後見人に財産管理を任せる制度です。成年後見人に、親御様の貯金通帳や土地の権利証、保険の管理を任せるのが一番安心かと存じます。

成年後見人は、家庭裁判所が選任します。ご相談者様が希望した場合、ご相談者様が選任される可能性もあります。逆に、ご相談者様が希望しても、弁護士などの専門家が選任される可能性もあります。ご相談者様などのご親族が選任された場合、報酬は不要となることが多いです。弁護士などの専門家が就任した場合には、月2万円前後(ご本人の財産によって増減します。)の報酬が必要になります。

弊事務所でも、成年後見申立・成年後見人就任のご相談を承っておりますので、もし宜しければ、ご検討ください。


Answer

高齢化社会の現在、多くの方が頭を悩ませる問題だと思います。
認知症になってきたとのことですが、その程度やご本人を支える周りの環境も様々なので、一概にこうすべきとは言えません。ですが、第三者が関与して高齢者の財産管理をサポートする手法としては、その判断能力に応じて、幾つかの方法があります。
まず、本人の判断能力があると診断される場合には、
①財産管理契約を結ぶ
②任意後見契約(判断能力がなくなった場合に信頼できる人に後見人になってもらうことを判断能力があるうちに約束しておく契約です)を結んでおく、などが考えられます。

一方、判断能力が不十分な場合には、その不十分さの程度に応じて、成年後見人、補佐人、補助人などを家庭裁判所に選任してもらう手続を検討することになります。

ご本人のご意向やどの程度親族がサポートできるかにもよるかとは思いますが、問題が深刻になる前に、今後の財産管理について一度ご本人とも良く相談のうえ、専門家に相談してみることをお勧めします。


Answer

●成年後見制度の利用はどういったときに?
認知症の方、知的障がいのある方、精神障がいのある方等、判断能力が不十分になった人の法律行為を代理し、本人の財産を管理したり、身上看謹に務め、本人が不利益を被らないよう保謳する場合等に利用します。従って、認知症の方、知的障がいのある方、精神障がいのある方で判断能力が不十分となった人を対象に家庭裁判所に申立てして審判を受け、後見制度をスタートさせます。

●申立て・審判 を受けるには?
成年後見制度の申立人は、本人、配偶者、4親等内の親族、保佐人、補助人、未成年後見人、監督人、検察官等です。尚、身寄りがない場合等事情のある人は、市町村長も申立人になれます。

●手続きの具体的な流れは?
家庭裁判所に「後見開始の審判」の申立て
~家庭裁判所調査官による調査~医師による鑑定
~家事審判官による審問
~家庭裁判所による審問
~後見開始
のような流れをとり、申立から審判の確定までは、おおむね2~3カ月程かかります。

●成年後見制度を利用しなければ?
入院や施設入所や介護保険の契約、遺産分割協議をする等の法律行為が、本人では困難で不利益を受ける可能性があるとか、悪徳商法等の被害にあっても取り消すことが容易ではない ・・・等々マイナス面が考えられます。