俯瞰することで最適な解決法を見出す

弁護士の本懐は依頼者にとって最適な解決法を見つけることだと考えています。さまざまな要因が入り組んだ問題を紐解き、依頼者だけではたどり着けなかった出口を指し示すのが私たちの使命です。

その際に重要なのが問題を「俯瞰(ふかん)」する目です。依頼者は自分を悩ませる問題により大きな精神的なストレスを抱えています。「ずるい」「くやしい」といった感情が先行すると相手に「勝つ」ことが目的だと思い込んでしまいますが、本来の目的は法律的に双方の権利を明確化して適法な状態まで是正し、再発を防止することです。

依頼者の願いにできるだけ近づくような解決策を見出すためには問題の原因を、一歩引いた場所から解読する作業が欠かせません。依頼者と同じ思いを持ってしまうと、弁護士も真の目的を見失ってしまい、解決が長引くからです。

 

問題の円を小さくし、残りは捨てる

 法的な問題は早く解決することが肝心です。ストレスも、費用も長引けばそれだけ大きくなっていきます。私は依頼者に「問題の円を小さくして、残りは捨てましょう」とお話ししています。できるだけ早期に胸のつかえがとれれば、次のステージに向かって人生を再スタートできるからです。

法律問題は病気の治療と似ています。「早期発見・早期治療」が自分の権利を健全に守る第一歩になります。健康的な生活習慣を手に入れると、肥満や高血圧の症状が改善するのと同じように、法律的な問題が解決してしまえば、その周辺の悩み事は次第に自己解決していきます。

法律的な問題の「再発予防」には顧問弁護士制度が有効です。小さな法律アドバイでも将来の問題の発生を未然に防ぐことができるからです。中小企業のなかには契約書がないまま取り引きするケースが少なくありませんが、解約の条件だけでも決めておくことで、万が一の際に被害を限定的にすることが可能になります。

もちろん、法律用語は難解で、その適用方法も複雑に入り組んでいます。私はホワイドボードを活用して、権利関係や、抵触する法律などを図にしながら説明しています。依頼者と一緒にその図を見ながら問題の核心と、その周辺を切り分ける過程は本人の理解促進にとても役立ちます。問題を整理した上で、本当に大事な部分とその解決方法をお伝えしています。

さらに、士業連携も進めています。空き家対策、相続問題、労働問題などは弁護士を中心に、専門の士業が協働することで、より満足度の高い解決策を迅速に提供できるからです。